気候変動への取組みと
TCFD提言に基づく情報開示

当社では、気候変動問題を経営の重要課題のひとつと捉え、グループ全体で積極的に対策に取り組んでいます。パリ協定の長期目標や2030年に向けた政府の脱炭素目標を踏まえ、ガバナンス体制の強化や、事業への影響分析、CO2削減目標の設定など、TCFD提言に基づく気候変動に関する分析と適切な情報開示を進めています。

TCFDとは

TCFD :Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)は、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立されました。TCFDは2017年6月に最終報告書を公表し、企業等に対し、気候変動関連リスク、及び機会に関する下記の項目について開示することを推奨しています。

TCFD 公式サイト: https://www.fsb-tcfd.org/

【 ガバナンス 】

2021年9月には社長を委員長とするESG委員会を設置しました。
ESG委員会は原則として年4回開催され、ESGに関する当社の重要課題に対する報告、協議が行われます。
設置初年度であった2021年度は特に気候変動に関する分析を採り上げて、開催回数を増やして、
将来予測されるリスクと財務インパクトの分析、2030年に向けたCO2削減目標の設定など分析と協議を重ねました。

【 分析の範囲 】

今回の分析は、当社グループの燃料消費、並びに電気の使用によるCO2排出量の算定範囲(Scope1及びScope2)とします。

【 戦略 】

●気候変動のリスクの分析

当社の主要事業である、フィットネスジム事業に関して、将来予想される気候変動に関するリスク・機会を把握する作業を行いました。

気候変動関連リスクと機会の抽出から、重要性が高いと判断された項目

気候変動関連リスクと機会の抽出から、重要性が高いと判断された項目を示したテーブル

※「ZEB」
Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指します。

●2℃シナリオと4℃シナリオ

分析にあたって定義するシナリオ群は2℃シナリオ4℃シナリオの2つを採用しました。パリ協定目標として提唱された1.5℃シナリオについては現状予測される世界観を特定するデータの収集が不十分と判断し、今後の分析課題としております。

不確実性の高い気候変動について2つのシナリオで2030年社会を考察

CO2排出が増えるたびに地球温暖化が進行 累積CO2排出量(GtCO2)の関数としての1850〜1900年以降の世界平均気温の上昇(℃) 5つの例示的なシナリオにおける、2050年までの累積CO2排出量と地球温暖化のほぼ線形の関係
排出量と気温の関係は?CO2累積排出量と気温上昇の関係を考察したグラフ

出典)IPCC第6次評価報告書/全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

●シナリオ分析の実施

IEA等の科学的根拠等に基づき2℃シナリオ、4℃シナリオの分析を行い、2030年の世界観を考察しました。また、シナリオ分析では、特定された気候変動リスクを基にフィットネスジムの事業運営を「出店計画・事業計画」「出店開発」「保守・管理・運用」の3つのフェーズに分け、2℃シナリオ、4℃シナリオのそれぞれにおいて、「規制」「技術」「市場」「評判」「物理的リスク」など起こり得るシナリオの分析を行いました。

特定された2030年の世界観

シナリオ分析の実施により、特定された2030年の世界観を示したテーブル

※2030年度に直営店舗展開数を340店舗と仮定し、想定するシナリオ下ですべてのリスクが顕在化した場合の予測値です。

●財務インパクトの算定

シナリオ分析に基づき、2030年に予想される財務インパクトの算定を行いました。
2℃シナリオにおいては、炭素税の導入や、再エネ導入コストの増大、フロン規制の強化に対応する費用が主要な財務インパクトになると想定されます。
4℃シナリオにおいては、規制の導入は進まない代わりに災害の発生頻度がより上昇すると想定されます。
上記算定から、よりインパクトの大きい2℃シナリオを重視して今後の対策を立てることが重要であると考えています。

リスクと機会の重要性評価から、事業への影響が大きいリスク項目について、
事業への財務インパクトを評価(2℃シナリオ 2030年時点)

2℃シナリオにおいては、気候変動施策に伴い、移行リスクによる炭素税の導入や、
フロン規制の影響が大きく、財務インパクトは約1.6億円

2℃シナリオの財務インパクトを評価したグラフ

リスクと機会の重要性評価から、事業への影響が大きいリスク項目について、
事業への財務インパクトを評価(4℃シナリオ 2030年時点)

4℃シナリオにおいては、気候変動政策が推進せず、成り行きで温暖化が進行するため
物理的リスクの影響が2℃に比べて大きく、財務インパクトが約550万円

4℃シナリオの財務インパクトを評価したグラフ

●Scope1,2のCO2排出量実績

エニタイムフィットネスにおいては、1店舗あたり平均で46.4t/年のCO2が排出されていると算定されました。当社の展開するジムはプールや温浴施設を持たないため、フィットネスジムの中では現時点でもCO2排出量は比較的低く抑えられています。(1㎡あたりで比較)

2020年度の平均CO2排出量を示したテーブル

【 指標と目標 】

●脱炭素目標の設定

算定したCO2排出実績をベースとして、排出量削減の具体的対策を様々な角度から検討した結果、2030年度に2020年度対比で1店舗あたりのCO2排出削減量を50%とする目標を設定しました。

ロードマップ

脱炭素目標達成に向け、直営店舗の再エネ電力メニューへの切替えをはじめ、節電、節水の取組みや再エネ発電設備の導入などの取組みを着実に実施してまいります。

サステナビリティ・ロードマップイメージ